興亜観音

今回、正直なところこちらの朱印についてアップするかどーかちょっと悩んだ。
そもそも興亜観音さんの朱印があったの? と思う方も多くいらっしゃると思うが、それ以外にこちらの歴史的な背景がとてもせつないのだ。
 当ブログは歴史的な説明はしないし、またしたいとも思わない。これまでそのよーに述べてきた。
 宗派とか関係なく朱印のみの美しさをポイントとしているのであるが、こちら興亜観音さんの住職様から聞いたお話はそれ以上に値する貴重なお話であった。
 かなり長い時間、お話をうかがってその時、聞いた全部の意味をその場で理解できたとは思っていなかった。
なので後々、自分でそのおっしゃられた意味を自分なりに調べてみたりした。こんなに1つのお寺さんのことについていろいろと歴史的な背景・問題等を調べたのは初めてである。
 住職様からお話しされたことと、あいまいな記憶の部分は自分なりに調べた部分とをつなぎ合わせて説明したいと思う。
 ※人名・場所等そして歴史的な説明において完璧なる説明ではないので簡略化して表現している部分もあります。
1. 興亜観音さんは静岡県熱海市、それも正直、ちょっと行きにくい山の中にあったりするお寺さんであり、なんと宗派を問わず参拝者を迎えているとユー独立したお寺さんである。
 創建者は"松井石根"という戦時中でゆーところの陸軍大将である。この観音様は自分初めて見る"色"の観音様であった。
 この色は松井石根が戦争に行った南京周辺の土で創られているとゆーのだから赤銅色とゆーか茶色っぽい色の観音様である。この色がとても悲しくみえる。
 松井石根だが東京裁判において松井石根を含むA級戦犯とされたリーダー7名は昭和23年12月23日に巣鴨拘置所で絞首刑された。
 7名の遺骸は横浜市営の久保山火葬場で米軍監視のもと火葬された。※久保山斎場は現在も横浜市によって運営されている。
 遺骨の引取りを要求した遺族は、占領軍は未来においても英雄・神のよーに扱われることを嫌って火葬後の遺骨の引き渡しを許さなかったというのだ。
 最初は米軍兵士により火葬が行われたのだが、火葬機械に不慣れだったせいか半焼け・生焼けであった。
 そこで再火葬を当時の火葬場の長である飛田氏に命じた。
このあと大変なこととなる

2. 東京裁判の弁護人であった三文字氏は葬場長の飛田氏と火葬場横にある興禅寺の住職、市川氏と火葬後の遺骨の打ち合わせをしていたのであったが、残念なことに再火葬後の線香の臭いをかぎつけ米軍兵士が7名の再火葬後の遺骨をジャラジャラと1つにまとめてしまい黒塗りの箱にいれて持ち去ってしまった。
 あまりにザツに箱にまとめて入れたため、バラバラにかき混ぜられた状態の7名の骨の残りはあわせて骨壺1つくらいあったというが、それさえもコンクリートの穴からすべて捨てたのである。

3. 12月26日の深夜、飛田・三文字・市川の3氏は黒衣に身をつつんで、米軍占領下にあった久保山火葬場の警備を突破して忍び込み、竹竿先に缶をつけたものでその捨てられた遺骨を盗み出したのだ。
 その遺骨は隣の興禅寺さんへ持っていったが、また見つかって持っていかれるかわからない。そしてどんな処罰があるかわからない。
 そこで遺族らと話して決まったさきは林家に持っていくとゆーことであった。

4. 翌年、昭和24年5月3日、三文字氏と未亡人の2人は興亜観音へ行き、知り合いの遺骨なのである時までおいて頂きたいと頼んだという。つまり本当のことは言わなかったのである。
 しかし興亜観音住職様は、すぐにそれを察して快く承諾した。また預かった住職様も見つからないよーにと大変な苦労があったという。
 昭和34年4月19日には「七士の碑」が建立され、現在そこに埋葬されている。
 また昭和35年8月には興亜観音から愛知県三ヶ根山にある「殉国七士之墓」に分骨された。
 その後、過激派学生によりこの「七士の碑」・「興亜観音像」などに導火線を仕掛けて爆破したものの、「観音像」は無事であったものの七士の碑」は3つに割れた。
しかし現在は修復されたものの未だその傷跡は残っている。

5. 火葬の責任者であったウォルトン・ウォーカー中将は、処刑後から2年経った昭和25年、それも12月23日深夜、それも処刑時刻と同じ時間にジープを運転して事故死してしまった。このことは七士のタタリではないかと当時は思われたという。

 以上、住職様からお話いただいたものに自分で調べた詳細な部分を付け加えて記述した。
 また現在に至るまで興亜観音においても、諸団体とのトラブルがあったものの、これだけの深い意味のあるお寺さんはゼッタイに残してはおかなくてはならないものであるという思いは皆さんも同じだと思う。
 
 今、こーして自分がユーのもおかしいが、ただ単に朱印がほしいという理由だけでこちらの興亜観音さんへ行くのだけはひかえていただければと思う。

http://www.koakannon.org/

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%88%E4%BA%9C%E8%A6%B3%E9%9F%B3